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昔ちょっとだけ書いた恋愛小説を誰か読んでくれ

2026年07月04日
7

1. 名無しのおっちゃん

2026年07月04日 01時12分 ID:2667845de6 (1/7) ID抽出 返信

普段はなろうでファンタジーものを書いてるんやが、数年前飽きがまわった時期に箸休めで恋愛小説もののプロットを作ってたんや。
結局はポシャったんだが、それなりに設定は凝ってたんでな。
誰の日の目を浴びるでもなく風化させるのは、ちと心苦しいというのもあって誰か一緒に供養してくれ。
幸い1話の途中までしか書いてなかったからすぐ読み終わると思う。

感想は想ったことそのまんま言ってくれると助かるわ。
今後の参考にさせてもらう。

2. 名無しのおっちゃん

2026年07月04日 01時18分 ID:2667845de6 (2/7) ID抽出 返信

タイトル『9月17日から変わらなくて』

第1話「9月17日のあなた」

「――ごめん。優人のことが大好きだから、中途半端な気持ちのままで付き合いたくない」

 耳がイカれたのかと思った。
 
 彼女の口から吐き出されたその言葉をなんとか理解しようと、耳から伝達された信じられ難い情報を真っ白な脳に詰め込む。

 今度は頭がイカれたのかと思った。

 言葉の意味を紐解こうと、1文字1文字ゆっくりと飲み下す。彼女の言葉を咀嚼すればするほど、反発するように胃から内容物が込み上げてくる。酸っぱい液が口腔を満たし、苦味が鼻腔から抜けていく。

 ――覚悟はしていた。
 いや、していた|つ《・》|も《・》|り《・》だった。恥ずかしい話、断られるなんて思わなかった。失敗をしないと高を括って覚悟を決めるのと、失敗を想定して腹を括るのでは、当然雲泥の差がある。
 
 俺は前者だった。

 彼女が突きつけた現実の前で、俺のちっぽけな覚悟は音を立てて瓦解してゆく。
 自分の浅はかさを呪いたくなる。

「そ……っかぁ……」

 陰鬱とした雰囲気が立ち込める現状を一変させるべくなんとか喉を絞るが、口から出たのは気の抜けたそんな言葉だけだった。
 彼女も俺と同じことを思ったのだろう。唇を数瞬震わせたかと思うと、探り探りに口を開く。

3. 名無しのおっちゃん

2026年07月04日 01時20分 ID:2667845de6 (3/7) ID抽出 返信

「ほんとにごめんね……。そういう……その……恋愛相手として見たことないから。そういう、目では見れないっていうか……」

 俺を出来るだけ傷つけないように言葉を選んでいるのだろう。言葉はひどく途切れ途切れで、か細く、それでいてぎこちない。それでも、伝えたいことがあるのだろう。どれだけ時間がかかっても、思いの丈を全て吐き出そう、そんな気迫が彼女の眼には篭っていた。

「友達としては大好きだけど……その、誰よりも大好きなんだけど、やっぱりそういう目で見れないかもしれない。こんな気持ちで付き合ったら、優人のこと傷つけちゃうから……ごめんね」

 言い終えた頃には、彼女は最初に浮かべていたような曇った表情で俺の事を見つめていた。
 そんな顔が見てられなくて、俺はたまらず口を開く。

「いや、謝らなくていいよ。わざわざ真剣に考えてくれてありがとうな。あと、気を使わせちゃって――ごめんな」

 ……彼女は|表情《かお》を悲痛に歪ませた。

 ――嫌な夢だ。
 |あ《・》|の《・》|日《・》からもうすぐで半年経つというのに、未だ胸に刻まれた傷は癒えた様子を見せていない。こんなに引き摺ってしまっている自分を情けなく思うべきか、はたまた未だ愛情冷めやらぬ自分を賞賛すべきか、判断がつかない。

「……さっさと準備するか。進級初日から遅刻は流石に洒落にならん」

4. 名無しのおっちゃん

2026年07月04日 01時22分 ID:2667845de6 (4/7) ID抽出 返信

そう言いながら掛け布団を足でずらし、ベッドから跳ねるようにして身を起こす。窓を開き、部屋を換気するついでに外を|眺望《ちょうぼう》する。漆色の空のなか、星がポツポツと至る所に点在し、まるでそれらの光を全て集約したかのような明るさで三日月が煌めいていた。
 
「なんだよ、まだまだ夜じゃん」

 起きた時の直感として、自分が普段よりも早くに起きたのだろうということは察していた。しかし、目に映し出された景色があまりにも"夜"過ぎたため、思わず苦笑してしまう。長期間の休みで崩れていた生活だが、先程の悪夢のせいで図らずも普段より遥かに早い時間に起きてしまったらしい。

 (まだ4時か、どうりで暗いわけだ)

 置時計をちらりと確認すると、時刻は午前の4時。登校する時間までは余分と言えるほどの時間がある。通学鞄にさっと必要なものを詰め込むが、ものの数分もしないうちに完了する。

 (喉乾いたな、お茶でも飲むか)

 寝起き特有の粘ついた喉を潤すため、自室を出て一階へと降る。途中トイレで軽く用を足してからリビングへと向かおうとするが、一つ異変に気づく。

 リビングの照明がついているのだ。家の両親は几帳面な方で、照明の切り忘れなんてことはまず有り得ない。ともすると、考えられる線はひとつ。誰かがリビングにいるということになる。

5. 名無しのおっちゃん

2026年07月04日 01時23分 ID:2667845de6 (5/7) ID抽出 返信

(父さんたちはあんまり夜更かしなんてしないし、こんな時間に起きてるのなんて、あいつくらいだな)

 推測に耽るのをやめ、リビングにへと足を運ぶ。テレビからは控えめに音が漏れている。チラッと視線を移したところ、どうやらアニメが流れているらしい。
 テレビに対面するように置かれているソファに寝転がっている人影がひとつ。

「秋穂まだ起きてんのかよ。さっさと寝ろっての」

「えぇー。夜更かし三昧の兄さんがそれ言う?」

 気だるそうに言い返してくる秋穂は視線をテレビから俺へと移し、何とも歯がゆい顔を浮かべる。

「昨日は流石に早めに寝たよ。さっき起きたばっかだ」

「ふーん。それにしては浮かない顔してるけど……悪夢でも見た?」

 その言葉を聞いて思わず冷や汗が浮かぶ。
 女の勘というやつだろうか。はたまたてきとう言っただけの可能性も捨てきれないが、彼女の発言は的を得ている。そりゃあもうど真ん中的中だ。

「図星か……どうせ|例《・》のでしょ。わかりやすいなぁ兄さんは」

 肩まで伸びた亜麻色の髪を揺らし、長く伸びた彼女の睫毛からは眠たげな双眸がちらりと覗く。
 
 ――俺はこの眼が嫌いだ。

6. 名無しのおっちゃん

2026年07月04日 01時24分 ID:2667845de6 (6/7) ID抽出 返信

全てを見透かしてますよと言わんばかりのこの眼は、どうしようもない自分を明け透けにする。まるで忖度などしない鏡を見ている気分だ。
たぶん俺も同じ眼をしてる。彼女も俺と同じくあまり眼を合わせようとはしない。理由はおそらく俺と一緒だ。

 |心音《みね》 |秋穂《あきほ》。旧姓は神田。俺の一つ年下で、去年俺が高校入学する直前、親父が秋穂の母親と再婚したことで俺たちは義兄妹となった。

 いきなりの事ではあったが、親父の再婚相手のことは以前から聞いていた。そのおかげで内心では混乱していたが、そんなものは俺も秋穂も互いにおくびにも出さず、付かず離れずの距離感で今日まで接してきた。

 特別親密というわけでもない悪友。

 俺らの関係性を言い表すのならこれが一番近い。
 
「……ほっとけ。茶化されるためにお前に相談してたわけじゃないぞ。こっちは本気でだな――」

「はいはい。本気だったのは分かるけどさぁ〜、学生の恋愛なんてそこまでガチなもんでもないんだから。引きずるだけ損だと思うよ私は〜。以上恋愛マスターからの今日の一言でした」

7. 名無しのおっちゃん

2026年07月04日 01時25分 ID:2667845de6 (7/7) ID抽出 返信

ケラケラと乾いた笑いを浮かべながら捻くれた笑みを浮かべる秋穂。とても腹立つが、口のうまさではあいつの方に軍配が上がる。俺がここでとやかく言ったところで、上手く躱されるのが関の山だ。

「そっすね、恋愛マスターさんの言う通りですよね〜。肝に銘じときまーす」

「まったく。だからフラれるんだよなぁ〜」

 俺の皮肉を意にも介さずおどける秋穂を横目にソファへと腰掛ける。

 「ちょ、重いんだけど……」

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